曽我逸郎さんへのメール(2)
曽我逸郎様
こんばんは、佐藤哲朗です。
先日お送りしたメールの追記です。
宮元啓一さんの諸著作に関するまとめと書評(主張の抽出と矛盾点への批判)は、こちらに掲載されているreverieさんの書評、
大乗思想批判:『仏教誕生』、『ブッダ─伝統的釈迦像の虚構と真実─』
がよくまとまっていると思います。
特に後者の隙のない明快なまとめかたには、唸らされました。「大乗仏教は初期仏教(原始仏教)の基本思想に沿った発展形態というよりも、解脱という目標を実質的に捨てさり、その替わりに菩薩というそれまでになかった、崇高にして空虚な目標を導入したことで実質的に別の宗教にすり替わってしまったと見るべきだと考えます。」(出典)
「四諦を実質的に軽んじ、縁起を破壊し、アラカンを貶めたという意味で既に正統的な仏教思想を著しく逸脱し破壊したため、その当然の帰結として大乗仏教では仏にもなれず、涅槃の果も生じなくなったということでしょう。」(出典)
というreverieさんの総括は、一見エキセントリックでありますが、≪釈尊の教えを「仏教」から抽出する≫ならば、そのようにしか言いようのない事実ではなかろうかと私は思いました。
では、お幸せでありますように。
祈願衆生皆安楽
佐藤哲朗
それにしてもreverieさんの『雑文保管庫』のテキストはぜんぶ面白いです。
〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜