『考える人』2005年冬号(新潮社)で『ブッダの智慧で答えます 生き方編』が紹介される。

新潮社の季刊誌『考える人』2005年冬号の特集「考える仏教」の記事、仏教の「新しさ」がわかるためのブック・ガイド(宮崎哲弥)で、A.スマナサーラ長老の『ブッダの智慧で答えます 生き方編』が紹介されていました。書店などで見かけたらぜひご覧になって下さい。

ブッダの智慧で答えます 生き方編

ブッダの智慧で答えます 生き方編

自分が編集に関わった本を紹介していただいたのは素直にうれしいです。

でも宮崎氏って仏教の「新しさ」を説くわりには、「小乗仏教」という言葉を頑なに使い続けているという点で随分「古くさい」仏教観の持ち主です。いまどき、こんなに無防備に「小乗・小乗」と連呼するのは、日本仏教原理主義者(笑)のひろさちやくらいじゃないでしょうか?

この短い記事でも「小乗」「部派」「説一切有部」「上座部」「テーラヴァーダ」などの言葉が()に括られてゴチャゴチャに使われていて、随分と言葉遣いが混乱している印象を受けました。

ご本人が自分の思想的な立ち位置をはっきり表明したうえで「小乗」という言葉を使うにしても、

に対して、「小乗仏教」と同じレッテルを張るのは読者に対して不親切すぎ。少なくともテーラワーダ仏教上座部仏教)に対して、「小乗」とレッテル張るのは、自分が仏教についてあまりモノを知らないことを表明しているのと同じになっちゃう。

これで、宮崎氏自身が「あ、こいつ仏教についていろいろ言ってるわりにレベル低いんじゃないの?」と人に疑いを抱かせてしまうとマズいんじゃないかと心配になります。

こんな基本的な無理解を正すためにいつまで言い続けなきゃならんのか。ま、これも業だと思って頑張ります。

〜*〜生きとし生けるものが幸せでありますように〜*〜