平和慰霊ネットワーク

ふと思ったのだけど、「英霊の慰霊顕彰」を旨とする靖国神社への信仰は全国に張り巡らされた護国神社のネットワークを通じて増幅・再生産されている。護国神社がいわゆる行動保守系レイシスト極右勢力の集会などに利用されている例もあると聞く。

一方で、平和を志向する護憲派が慰霊のために頭を垂れる千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、あの一箇所しかない。少なくとも志を同じくする人々が集えるような空間のネットワークは存在しない。このハンディキャップがもたらす、左右の政治力の非対称性は無視できないものがあるように思う。

たとえば伝統仏教界と新宗教界が合同で都道府県レベルの戦没者を敵味方軍人民間人わけへだてなく、不戦の誓いとともに追悼する「怨親平等」の施設をつくって、千鳥ヶ淵を中心とする平和慰霊ネットワークを形成するということはできないものだろうか? 試みてもよいことだと思うのだが。

(以上、靖国問題を巡る議論の積み重ねを一切振り返らず、思ったことを書いた。)

 

靖国問題については、三土修平先生の以下の論考に尽きるような気もします。また、復習しようかな。

靖国問題の原点 増訂版

靖国問題の原点 増訂版

 

 

~生きとし生けるものが幸せでありますように~