ひじる日々

リスクマネジメントについて/豊かさとは?(スマナサーラ長老の法話より)

Q転ばぬ先の杖、リスクマネジメント、将来への備え、と将来を心配しないということ、どう考えればよいか? A誰もリスクマネジメントなどしていないのです。日本は立ち上がれないほど経済状態悪いのに、何も気にしてないのです。カッコつけて未だに無駄遣いば…

「身を守る」ということ(スマナサーラ長老の法話より)

「身を守る」ということについてお話しします。 いかにして身を守るべきか? 日本にはお守り文化があります。世界中に神に守ってくださいと祈る文化がありますが、ああやって沢山お守りをぶら下げる文化は日本独特です。 釈尊ご自身の立場からは、そういうモ…

ゴータミー精舎パーリ経典講義 相応部カッサパ相応8第三教戒(スマナサーラ長老の法話より)

Saṃyuttanikāyo Nidānavaggo 5. Kassapasaṃyuttaṃ相応部 因縁篇 5.カッサパ相応 8. Tatiyaovādasuttaṃ 第三教戒 王舎城因縁。 (※6,7と同じ。在家の方々にはあまり関係ないセクションかもしれません。マハーカッサパ尊者は出家と修行する在家のことを厳しく…

ゴータミー精舎パーリ経典講義 相応部カッサパ相応7第二教戒(スマナサーラ長老の法話より)

Saṃyuttanikāyo Nidānavaggo 5. Kassapasaṃyuttaṃ相応部 因縁篇 5.カッサパ相応 7. Dutiyaovādasuttaṃ 第二教戒 王舎城因縁。 (※6と同じ。釈尊はマハーカッサパ尊者に近くに居て欲しがったが、尊者は釈尊とあまり一緒に居たがらなかった。森の洞窟に隠れて…

ゴータミー精舎パーリ経典講義 相応部カッサパ相応6教戒(スマナサーラ長老の法話より)

Saṃyuttanikāyo Nidānavaggo 5. Kassapasaṃyuttaṃ相応部 因縁篇 5.カッサパ相応 6. Ovādasuttaṃ 教戒 王舎城因縁。摩訶迦葉尊者に釈尊が語る。「カッサパよ、比丘たちに教えてあげてください。比丘たちに真理の話(法話)をなさい。比丘たちに何かアドバイス…

リーダーも独裁者もいない民主主義(スマナサーラ長老の法話より)

宗教は苦しみを隠す みなさん初期仏教の伝道活動を、熱しやすく冷めやすい国民性にもかかわらず、激しく熱くなることもなく、急速に冷めることもなく、程良く頑張ってくれたことは、素晴らしいことと思います。仏教は独裁者がいないから大変なんです。仏教は…

冥想がうまくいかない時/冥想で周囲の反応が変わった?(スマナサーラ長老の法話より)

■Q冥想がうまくいかない時がある。どうすれば? 冥想で、手抜き思考はたいへん危険です。俗世間では完璧主義はいけないというが、仏教の冥想では短い時間でも文句なしに完璧にやらないといけない。完璧主義をうまく使うことで成長する。形だけ、一生やっても…

睡眠について/苦しまずに死にたい(スマナサーラ長老の法話より)

■睡眠について 繰り返し同じことしゃべっているのですが……睡眠というのは一つの病気です。私たちは寝ることは必要だと言ってますが、そんなに証拠あるものではない。ケースバイケース。能力ある人、天才と言われる類の人は、俗世間でもほとんど寝ていない。…

新宿朝日カルチャー初期仏教入門「ローヒタッサ経を読む」(スマナサーラ長老の法話より)

2011年12月22日新宿朝日カルチャー初期仏教入門「ローヒタッサ経を読む」メモ (※気になったところだけ) 相応部経典に記録されたローヒタッサという神とブッダの対話。 神の質問:《世界の果て》に行けるのか? 世界 Loka とは、地球・宇宙/生命 という二つ…

パーリ経典講義『在家を尋ねる』経,『老い』経 マハーカッサパ尊者に学ぶ出家者の生きかた(スマナサーラ長老の法話より)

2011年12月13日ゴータミー精舎パーリ経典講義 講師:アルボムッレ・スマナサーラ長老 Saṃyuttanikāyo Nidānavaggo 5. Kassapasaṃyuttaṃ 相応部経典 因縁篇 5.カッサパ相応http://www.tipitaka.org/romn/cscd/s0302m.mul4.xml 4. Kulūpakasuttaṃ 在家に入る …

浮かれない生きかた(スマナサーラ長老の法話より)

Q先日の経典解説で仰っていた「褒められると調子に乗る」以外に、日本社会のウイークポイントは何か? A別にそういうことをわざわざ調べていない。興味もない。ただ困っている人がいたら、何とかしてあげたいと思うだけ。あるかもしれないけど、そんなに私は…

パーリ経典講義『月喩経』 マハーカッサパ尊者と布施の話(スマナサーラ長老の法話より)

2011年11月29日ゴータミー精舎パーリ経典講義 講師:アルボムッレ・スマナサーラ長老 Saṃyuttanikāyo Nidānavaggo 5.Kassapasaṃyuttaṃ 3. Candūpamasuttaṃ パーリ相応部 因縁篇 5.カッサパ相応 3.月喩経 http://www.tipitaka.org/romn/cscd/s0302m.mul4.xml …

横浜朝日カルチャー講義「イラッとした時の5つの処方箋」(スマナサーラ長老の法話より)

今日は「イラっとした時の五つの処方箋」というタイトルでお話しします。 これは人間関係についての教えです。人間関係のトラブルは、誰にでもあることです。ないというなら、人間じゃないと思います。動物の中では人間関係のようなトラブルはない。人間だけ…

気にいらない教えとの付き合い方(スマナサーラ長老の法話より)

Q一年前くらいに初期仏教知った。書店で見ると大乗仏教が主流で、お釈迦様が貶められているようで怒りを抱いてしまう。大乗仏教と付き合っていくにはどうしたらいいのか? A気に入らんものがいらんと思ったら、この世で生きていられない。この世は嫌いなもの…

大乗仏教やジャータカは「妄語」?(スマナサーラ長老の法話より)

Q大乗仏教を説いてきたのは「妄語」か? 大乗仏教といっても何ものかと誰も知らない。あまりに広大でハチャメチャな世界です。(中観派と唯識派の概要について…略。)(大乗仏教の根本的な哲学を構築した)龍樹は経典を作っていない。彼は嘘はついていないん…

宇宙の法則に身を任すとは?/教えの理解から本格的な修行へ(スマナサーラ長老の法話より)

Q:宇宙の法則に身を任すとは?どのように身を任すのか? A:宇宙といっても我々が知っているのは物質的な宇宙です。それは我々にはどうしようもなく法則で動いている。自分のものというのは自分の精神であり心です。そこは誰にも管理できない。そこは、自分で…

仏教から見た「社会的成功」とは?・他(スマナサーラ長老の法話より)

Q:一ヶ月前からDVD購入してヴィパッサナー冥想。睡眠障害に。やり方がマズイのか? A:気にすることはないと思います。眠れなくなったって別に……私はほとんど寝ない状態で生きていますから。問題なのはちょっとした変化が起きても心配しちゃうこと。あ、そ…

子供は自分の研究課題/関心・無関心と「関係性」(スマナサーラ長老の言葉より)

●子供は自分の研究課題 子供が言うことを聴かない、というのは間違っていますよ。 子供は(親や大人の)1)言っていることの意味が分からないんです。それから、2)言葉が分かっても、なぜそう言われるのか、なぜ止めなければいけないのか、という理由が分…

『自分直し! 〜自分が変わればうまくいく!〜』(スマナサーラ長老の法話より)

自分を直すということは仏教以前に、生命にとって当たり前。自分を変えないといけない。タコは上手にカモフラージュする。海の中ではそうしないと生き残れない。タコが自分を変えるのです。そうでないと生きていられない。生命は敵から逃れるため、餌を取る…

「あなたの愛情が子育てをややこしくする ~ブッダに学ぶ「慈しみ」の子育て~」(スマナサーラ長老の法話より)

仏教の話は親の躾と同じ。子供がしつけられるのを嫌がると同じく、皆さんも嫌な気分になるかも。子育てに『愛情』が危ないというと嫌でしょう。子育ては愛情がなくてもできる。猿でも昆虫でも子育ては完璧にできる。人間も子孫を育てる能力が本能に組み込ま…

ブッダの対話術(スマナサーラ長老の法話より)

スマナサーラ長老『ブッダはマジシャン?』(立川朝日カルチャー初期仏教入門メモ2011年10月10日) 今日はブッダの対話術を紹介します。他者の思考の自由を奪わずにプレゼンテーションするのは難しい。釈尊はそれを実践したのです。バッディヤとの対話(出典…

スマナサーラ長老のヴィパッサナー冥想指導より

人間は明日、幸福になるために頑張っています。いつまで頑張ったって明日は永久に明日です。結局、死ぬまで幸福になれないのです。 …… 苦があるから生きられる。痛みがあるから気をつけている。感覚に微塵でも『楽』があったなら、人類はもうとっくに滅亡し…

やさしさとは?(スマナサーラ長老の言葉より)

お釈迦様さえ、覚りを開かれてから涅槃に入られるまで、決して楽な人生ではなかったのです。生きることは誰にとっても大変です。 「ブッダは無条件に私たち一切衆生に慈しみを持っていた」と言っても、周りの人々もお釈迦様に優しさを返したんです。優しさは…

人間とトラの違い、そしてブッダの獅子吼

FBの仏教アカウントから「人類と虎(の違い)。虎は自分と同じ種族を獲物にしない。」という意味の写真短文が流れてきた。 人間の愚かさを表すために、食傷するほどよく言われる教訓だ。でもこれって、なぜなんだろうか? 動物も極限に飢えれば共食いするケー…

週刊仏教タイムス寄稿「不殺生は人類の根本戒律」(全文掲載)

週刊佛教タイムス(佛教タイムス社)2015年8月20日号に寄稿しました。オピニオン 戦後70年の曲り角 新安保法制を問う9「不殺生は人類の根本戒律」という記事です。佛教タイムス社から許可いただいたので、以下に全文掲載いたします。 「戦後70年の曲り角 新…

スマナサーラ長老の新刊『やめたいことは、やめられる。』河出書房新社

新刊の見本が届きました。アルボムッレ・スマナサーラ『やめたいことは、やめられる。』河出書房新社は、「やめたいけど、やめられない」という人間の葛藤をいかに解決してゆくか? 冥想という言葉すらも用いずに、仏道実践のスタート地点からゴールまでを次…

日本テーラワーダ仏教協会のKindle本が10タイトルに

たまには仕事がらみの話題で……。日本テーラワーダ仏教教会の電子書籍(Amazonkindkle)がようやく10タイトルになりました。いずれもアルボムッレ・スマナサーラ長老の法話をまとめた書籍です。 施本として刊行して在庫がなくなったもの、雑誌等に掲載した長編…

慈しみの随念

慈しみの随念 私は、怨みなく生きてゆこう。怒りなく生きてゆこう。悩みなく生きてゆこう。心から楽しく生きてゆこう。 ――こう私が願うように、私の親しい人々・生命も、身近にいる人々・生命も、怨みなく生きてほしい。怒りなく生きてほしい。悩みなく生き…

Mettasuttaṃ 慈経(Suttanipāta 143-152)※パーリ/和訳交互読誦のため改訳私案

Mettasuttaṃ 慈経(Suttanipāta 143-152) 1.Karaṇīyam atthakusalena, yantaṃ santaṃ padaṃ abhisamecca; Sakko ujū ca sūjū ca, suvaco cassa mudu anatimānī. 幸福を目指す人には、静かな場所で為すべきことがあります。 何事にも巧みで、正直で、善にま…

「草薙の剣」と仏教のナーガ信仰

佐竹昭広『古語雑談』平凡社ライブラリーをまたつらつら再読していて、草薙(くさなぎ)の剣 の語源は臭蛇(くそなぎ)というくだりに心惹かれた。 古語雑談 (平凡社ライブラリー さ 16-1) 作者: 佐竹昭広 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2008/11/11 メディア:…